2026-04-06 コメント投稿する ▼
食卓の安全保障を揺るがす? 米国産ジャガイモ輸入解禁協議、政府の判断に国民の不安募る
提アメリカからの生鮮ジャガイモ(食用)輸入解禁に向けた協議が進んでいることが明らかになりました。 にも関わらず、今回の米国からの輸入解禁要請に対し、日本政府が国内産業への影響を考慮しつつも、協議を進めている現状は、食の自立を目指す国の姿勢として、あまりにも心許ないと言わざるを得ません。
米国が迫る「生食用ジャガイモ」輸入解禁
アメリカが公表した「2026年外国貿易障壁報告書」には、日本市場への生鮮ジャガイモ輸出、特に「生食用」としてのアクセス拡大に向けた協議の進展が記されています。報告書によれば、米国は2018年4月には既に日本に対し、生食用ジャガイモの市場アクセスについて正式な要請を行っていました。
その後、日本側は2023年9月、食用ジャガイモに関する最終的な害虫リストを提示し、病害虫リスク評価(PRA)の進展に取り組むことを約束したとされています。さらに、2025年10月に開催された植物検疫に関する二国間会合においては、日本側から、5種類の害虫評価がほぼ完了し、残るは2種類のみであるとの情報が米国に伝えられたとのことです。
このように、米国側は長年にわたり粘り強く働きかけを続けており、日本政府もその要請に対し、実質的な譲歩とも取れる対応を進めている状況です。国内の農産業に少なからぬ影響が出ることが予想されるにも関わらず、なぜ政府はこの協議を安易に進めるのでしょうか。
検疫協議の実態と農水省の曖昧な答弁
この問題について、2026年4月3日の記者会見で質問を受けた鈴木農林水産大臣は、米国側の文書内容そのものについてのコメントは避ける姿勢を示しました。しかし、その上で、「米国産の一般流通用の生鮮ばれいしょにつきましては、2020年に輸入解禁要請があり、現在、日本とアメリカの両国の検疫の部局間でWTO SPS協定に基づき、科学的な協議を行っています」と、協議の存在自体は認めました。
大臣はさらに、「農林水産省は、病害虫の侵入による国内産地への影響が生じさせてはならないと考えてますから、当然そういう影響が生じないよう、今後ともしっかり科学的に議論、協議してまいりたいと考えてます」と述べました。
しかし、この「科学的協議」という言葉の響きとは裏腹に、国内産業への影響を最小限に抑えるという強い意志が、具体的にどのような措置として現れるのかは不透明です。WTOのSPS協定(衛生植物検疫措置に関する合意)は、あくまで科学的根拠に基づいた措置を求めていますが、その解釈や運用次第では、国内産業保護の壁を低くしてしまう危険性もはらんでいます。
「影響が生じさせてはならない」という言葉は当然ですが、その言葉が単なる建前で終わらないことを、政府は国民に示す必要があります。科学的という錦の御旗の下で、実質的な国内産業保護の担保がなければ、これは事実上の譲歩に他なりません。
食の自立、揺らぐ日本の基盤
ジャガイモは、私たちの食生活に欠かせない基本的な食材です。その安定供給と国内生産基盤の維持は、食料安全保障の観点からも極めて重要と言えます。にも関わらず、今回の米国からの輸入解禁要請に対し、日本政府が国内産業への影響を考慮しつつも、協議を進めている現状は、食の自立を目指す国の姿勢として、あまりにも心許ないと言わざるを得ません。
国際社会との関係や貿易摩擦の回避も重要ですが、それ以上に、国民の生活を支える基幹産業である農業を守り、食料の安定供給体制を維持することは、国家の根幹に関わる責務です。目先の国際的な圧力や取引上の都合のために、国内の生産者を犠牲にし、長期的な食料安全保障を危うくするような譲歩を繰り返すことは、断じて許されるべきではありません。
国民は、政府がどのような基準で、どのような手続きを経て、この輸入解禁という判断を下そうとしているのか、その明確な説明と、国民生活を守るための断固たる決意を求めています。
まとめ
- 米国は2018年から日本へ生鮮ジャガイモ(食用)の輸入解禁を要請し、2026年現在も協議が継続中である。
- 日本政府は害虫リスク評価を進め、米国に対し進捗を伝えているが、国内農産業への影響が懸念されている。
- 鈴木農林水産大臣は「科学的協議」を強調するが、国内産業保護策の実効性が不明瞭である。
- 国民の食生活の根幹をなすジャガイモの国内生産基盤維持と食料安全保障の観点から、政府の安易な譲歩姿勢には強い批判が必要である。
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