2026-01-15 コメント: 1件 ▼
鈴木憲和農水相がパリ視察でコメ輸出拡大へ意欲、欧州市場の可能性を確認
2026年1月15日、鈴木憲和農林水産大臣は訪問先のパリで日本産コメの輸出拡大を目指し、地元スーパーやおにぎり販売店などを視察しました。 鈴木農水相は視察後、「当たり前のようにおすしやおにぎりが置いてある」と指摘し、欧州市場における日本食の浸透ぶりを確認しました。 農林水産省は、2030年までの輸出目標達成には生産コストを60キログラム当たり9500円程度まで下げることが必要としています。
コメ輸出拡大へ農水相がパリ視察
鈴木憲和氏、欧州市場の可能性を確認
2026年1月15日、鈴木憲和農林水産大臣は訪問先のパリで日本産コメの輸出拡大を目指し、地元スーパーやおにぎり販売店などを視察しました。視察後に記者団の取材に応じた鈴木氏は「欧州連合は日本産のコメや食材にとって大きい市場だ」と述べ、課題を乗り越えれば大きな市場が開けるとの認識を示しました。
鈴木農水相は1月14日に欧州訪問に向けて羽田空港を出発しており、19日までの日程でフランスとドイツに滞在する予定です。16日にはドイツのベルリンで開かれる農相会合に出席し、日本産農林水産物や食品がどのように販売されているかを実地調査する方針です。
欧州での日本食の浸透を実感
パリでは、おにぎり販売店や日本食材店を訪問したほか、フランスの流通大手カルフールの海外食品部門統括責任者らとも意見交換を行いました。鈴木農水相は視察後、「当たり前のようにおすしやおにぎりが置いてある」と指摘し、欧州市場における日本食の浸透ぶりを確認しました。
一方で、日本産コメを使ってもらうためには「魅力がしっかりと伝わるようさまざまな取り組みをやっていきたい」と述べ、PRが課題の一つであるとの認識を示しています。欧州では既に寿司やおにぎりが一般的な食品として定着しているものの、使用されているコメが必ずしも日本産ではない現状があり、品質や安全性の高さを訴求する必要があると考えられます。
「欧州でもおにぎりが普通に売られているなんて驚き」
「日本のコメの良さをもっと知ってもらわないと価格競争に負けそう」
「農水相が自ら海外に行って売り込むのは良いことだと思う」
「欧州市場は確かに可能性あるけど、国内のコメ不足はどうするの」
「輸出より国内の価格安定が先では」
石破前政権からの方針転換
鈴木農水相は2025年10月21日に高市内閣で農林水産大臣に就任しました。自身も農林水産省出身の元官僚で、山形2区を地盤とする43歳です。2022年には自民党の米の需要拡大・創出検討プロジェクトチームの座長として、2030年に米市場を50万トン拡大させる提言を発表するなど、コメ政策に深く関与してきた実績があります。
石破茂前首相の下では、2024年夏のコメ価格高騰は国が需要拡大を見誤り供給不足を招いたことが要因と結論付け、増産を表明していました。しかし鈴木農水相は就任後、「供給過剰であれば生産を抑制していく」として方針を転換しました。中長期的にコメの輸出拡大を通じて生産量を増やす方針を掲げており、今回のパリ視察もその一環と位置付けられます。
政府は2025年4月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画で、2030年までにコメの輸出量を35万トンとする目標を掲げています。これは2024年実績の4.6万トンの約8倍にあたります。輸出拡大を通じて国内のコメ生産量を増やし、農家の生産基盤強化や生産性向上につなげる狙いです。
欧州市場開拓の課題と可能性
欧州連合への日本産コメの輸出には、農薬残留基準などの厳しい規制への対応が必要です。特に日本で使用されているトリシクラゾールやイプロジオンといった農薬成分については、EUの基準が日本よりも大幅に厳しく設定されており、輸出用コメの生産には細心の注意が求められます。
また、価格競争力の確保も重要な課題です。農林水産省は、2030年までの輸出目標達成には生産コストを60キログラム当たり9500円程度まで下げることが必要としています。現在の国内農家の平均的な生産コストは約1万6000円であり、大幅なコスト削減が求められています。
一方で欧州市場では日本食への関心が高まっており、有機農産物や高品質な食品への需要も強い傾向にあります。日本産コメの安全性や品質の高さを適切にアピールできれば、価格競争だけでない付加価値での勝負も可能と考えられます。
鈴木農水相の今回の視察は、こうした欧州市場の実態を直接確認し、今後の輸出戦略に生かすことが目的です。現場を重視する姿勢を示してきた鈴木氏にとって、自ら海外市場を見て回ることは政策立案の基礎となる重要な活動といえます。