2025-12-06 コメント投稿する ▼
鈴木農相「使用期限付きおこめ券」の真意は米業界救済か、辛坊治郎氏が指摘する政策の本質
経済ジャーナリストもこの見方を支持しており、「つまりは遅かれ早かれ、市場で余っている、業者が溜め込んでいるとされるお米の価格暴落は避けられない状態にあるわけで、高値がついているうちに消費者にお米券を配布して、買い取らせて捌いてしまおうと」という構図を明らかにしています。
「コメ価格不介入」のはずが農協救済策
鈴木農相は就任時に「コミット(関与)しない」「価格はマーケットの中で決まるべき」と、高値がつけられたコメ価格に「不介入」の姿勢を見せていたと記録されています。しかし、おこめ券配布という形での間接的な市場介入は、実質的にコメ業界の救済策として機能する構図が見えてきました。
現在のコメ価格は異常な高値が続いており、新米の出荷団体と卸売業者が売買する際の「相対取引価格」は、10月に玄米60キロ当たり過去最高の3万7058円となった状況です。この価格高騰により消費者のコメ離れが加速し、2025年8月の1人1か月当たりの精米消費量は平均4299gと前年同月比で4.6%減。6か月連続で昨年同月の平均値を下回り続けているという深刻な事態となっています。
業界関係者が明かす「適正価格」の思惑
この危機的状況を受け、コメ卸大手神明ホールディングスの藤尾益雄社長は「やっぱり5キロ3500円が適正」「みんなで5キロ3500円で売れるようにしていかないと消費が減るというふうに私は思っているので」と発言しています。
価格高騰は業績にプラスだが、高止まりが続いて消費者のコメ離れが進めば、産業全体が立ちゆかなくなると憂慮したという藤尾氏の発言は、現在の5キロ4500円を超える価格から3500円への値下げを求める業界の本音を表しています。
「おこめ券って結局JAとか業者のための政策でしょ」
「税金使って米業界を救済するなんておかしい」
「使用期限9ヶ月って短すぎ、急いで消費させようとしてる」
「価格に介入しないって言ってたのに矛盾してる」
「コメ離れが進んでるから必死なんだろうな」
辛坊治郎氏が指摘する政策の本質
この政策の真意について、フリージャーナリストの辛坊治郎氏は鋭い分析を示しています。「お米券を配る最大の理由は、米暴落を防いで、高く買いすぎた米流通業者、農協を守ることにある」と指摘し、「これが政治だ」と政策の本質を端的に表現しました。
経済ジャーナリストもこの見方を支持しており、「つまりは遅かれ早かれ、市場で余っている、業者が溜め込んでいるとされるお米の価格暴落は避けられない状態にあるわけで、高値がついているうちに消費者にお米券を配布して、買い取らせて捌いてしまおうと」という構図を明らかにしています。
使用期限設定の真の狙い
鈴木大臣は、おこめ券の使用期限を定める目的を"未使用があった場合に、そのお金を発行元に留まらせず、期限が過ぎた場合には返還させるため"としていましたと説明していますが、実際には短期間での消費を促し、米価暴落前に在庫を処理する意図が透けて見えます。
「このままいけば暴落するのは間違いない」と藤尾社長自身が認めている通り、米余りによる価格暴落は避けられない状況です。来年6月末の民間在庫量は最大229万トンとなると予測されることからこのままいけば取引価格は暴落するという予測の中で、おこめ券による消費喚起は業界の延命策として機能しています。
農水族議員と農協の利害一致
この政策の背景には、農水族議員と農協の利害関係があります。「おこめ券は1枚当たり60円が印刷費や手数料といわれており、配布されることになればJA全農か全米販に入ります。鈴木大臣は農水省出身の農水族議員ですから、利権が絡んでいるのではないかと見る向きがあっても不思議ではないでしょうね」と指摘されています。
政府は米価を含む物価高対策として、地方への交付金を通じたおこめ券の配布を検討。最終的に11月21日の臨時閣議で、自治体が自由に使える「重点支援地方交付金」に食料品の価格上昇に対応する4000億円程度の特別枠を設け、おこめ券や電子クーポンなどの活用を促すことを決めたという大規模な予算措置も、この構図を裏付けています。
自治体からの配布拒否が続出
しかし、このような政策意図を見透かした自治体からは配布拒否の声が相次いでいます。大阪府交野市の山本景市長が「交野市は、市民のためにお米券を配りません」「経費率が10%以上と高い」などとXに投稿するなど、今回の物価高対策としておこめ券は配布しないとする自治体も出ている状況です。
現在の物価高は明らかに数十年に渡る自民党の失策によるものです。真の物価高対策として必要なのは、特定業界への利益誘導ではなく、国民に直接還元される減税です。農協や米流通業者の救済を目的とした「おこめ券」は、税金を使った業界支援に他なりません。
国民が高騰するコメ価格に苦しむ中、その解決策として提示された「おこめ券」が、実は業界救済のための政策だったという構図は、政府の物価高対策に対する根本的な疑問を提起しています。鈴木農相には、真に国民のための政策実現に向けた説明責任が求められるところです。