2025-12-03 コメント投稿する ▼
安部敏樹氏がおこめ券配布を「癒着疑惑」と批判、決済手数料12%を問題視し現金給付を提言
実業家の安部敏樹氏が2025年12月3日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、物価高対策として検討されているおこめ券配布について「業界団体との癒着と疑われる話」と厳しく批判しました。 安部氏は「わざわざ10%程度決済手数料が乗っているようなものを公的に使う必要があるのかというと、全くないと思う」と断言し、税金の無駄遣いだと厳しく批判しました。
12%の決済手数料を痛烈批判
安部敏樹氏は番組で、おこめ券500円で実際に買えるのが440円分であることから「60円が券単体にかかるコスト。決済手数料12%です」と指摘しました。「そんなシステム、今はあり得ない。高くても数パーセント」と述べ、現在のデジタル決済システムと比較して手数料が異常に高いと批判しました。
この日の番組では、重点支援地方交付金の使い道としておこめ券を配布する自治体と配布しない自治体があることが取り上げられました。東京23区では現時点で配布を決定した区がないことも紹介されています。
安部氏は「わざわざ10%程度決済手数料が乗っているようなものを公的に使う必要があるのかというと、全くないと思う」と断言し、税金の無駄遣いだと厳しく批判しました。
農水省と業界団体の癒着疑惑を指摘
さらに安部氏は「おこめ券自体が農水省と業界団体の癒着なんじゃと疑われちゃう話なので、非常によろしくない」と発言し、政策決定プロセスに対する疑念を表明しました。
おこめ券は全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)や全国農業協同組合連合会(JA全農)が発行しており、500円で購入して440円分のお米と交換できる仕組みです。差額60円には印刷費、流通費、システム管理費などが含まれているとされています。
「手数料12%って本当におかしい」
「今時そんな高い決済手数料はない」
「なぜ現金給付じゃダメなのか」
「農水省と業界の癒着じゃないの」
「税金の無駄遣いは許せない」
コメ需要喚起効果に疑問符
安部氏は、もしこれだけ高い手数料でもおこめ券を使う意味として「物価高の話としてはおかしいが、(意味が)あるとすればコメの需要喚起」と述べました。しかし「おこめ券をもらったからおこめを2倍買いますっていうのは、どれぐらいあるのか。ぼくはほとんど無いと思うけど、浮いたお金で他のものを買うという話」と需要喚起効果に疑問を呈しました。
「それをするなら現金給付をした方が今後のために、システムのためにも有効だと思うし、おこめ券である必要はまったくない」と結論づけ、政策の合理性そのものを否定しました。
政府の経済対策で推奨される方針
政府は2025年11月に閣議決定した総合経済対策で、重点支援地方交付金を約2兆円に拡充し、そのうち約4000億円を食料品高騰対策の新枠に割り当てています。おこめ券や電子クーポンでの活用を想定し、1人当たり3000円程度の負担軽減を目指しています。
すでに兵庫県尼崎市では全世帯を対象に440円分の券を5枚(2200円分)を配布し、愛知県日進市では65歳以上がいる世帯に440円分の券を10枚(4400円分)を送付するなど、各自治体で配布が始まっています。
鈴木憲和農林水産大臣は「本来ならもっとたくさん食べたいのにという需要に応える環境をつくれるか、しっかり検討したい」として、おこめ券配布に意欲を示していました。
効率性と透明性の課題
安部氏の指摘通り、おこめ券配布には多くの課題があります。配布にかかる事務費や輸送費を含めると、おこめ券として使える額の1.5倍程度の事業費がかかる例が散見されています。
また、現在のキャッシュレス決済では手数料は数パーセント程度が一般的で、12%という手数料率は確かに異常に高いといえます。政策の透明性や効率性の観点から、なぜ現金給付ではなくおこめ券なのかという根本的な疑問が残ります。
今回の安部氏の発言は、政府の物価高対策の在り方について重要な問題提起をしたものといえるでしょう。