2025-11-21 コメント投稿する ▼
鈴木憲和農水相「世界中の皆さん日本の美味しい食を愛して」中国輸入停止に毅然対応
1月21日の記者会見で鈴木農水相は、中国による日本産水産物の輸入停止について冷静な姿勢を示した。 鈴木農水相は今回の事態について、政治的な感情論に流されることなく科学的根拠に基づく対話を重視する姿勢を一貫して示している。 官僚時代の経験を活かし、政治的な圧力に動じることなく、長期的な視点で日本の農林水産業の発展を図る姿勢を示している。
42歳農水相が示した冷静な対応
鈴木憲和農林水産大臣は1982年生まれの42歳で、東京大学法学部卒業後、2005年に農林水産省に入省した元官僚だ。高市内閣では農政のエキスパートとして重要な役割を担っている。
1月21日の記者会見で鈴木農水相は、中国による日本産水産物の輸入停止について冷静な姿勢を示した。「中国への輸出については、科学的根拠に基づいて、規制の撤廃も含めて働きかけている。粘り強くやっていく」と述べ、感情的な対立を避けて客観的な事実に基づく対話を重視する考えを表明した。
鈴木氏は「世界中の皆さんが、日本の品質の高い、美味しい食を愛し、消費してもらい、結果として日本の農林水産業が稼げる構造になることが大変歓迎すべきことだ」と語った。
高市発言で再び揺らぐ日中関係
今回の中国側輸入停止措置の直接的な契機は、高市首相の台湾有事に関する国会答弁だった。高市首相が11月7日の衆院予算委員会で、台湾有事が日本の集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得ると述べたことに、中国が激しく反発している。
中国外務省は14日、国民に対し日本への渡航を控えるよう呼び掛ける通知を出し、その後20日には日本産水産物の輸入手続きを停止する意向も政府に伝達した。
中国は2023年8月の東京電力福島第1原発処理水海洋放出を理由に日本産水産物の輸入を全面停止していたが、2024年6月には宮城や福島など10都県を除く日本産水産物の輸入を再開していた。しかし、政治的な対立により再び貿易に影響が出る形となった。
台湾からの温かい支援が話題に
まさにこの時期、台湾から日本支援の温かいメッセージが相次いでいる。
頼清徳総統は20日、X(旧ツイッター)で「きょうの昼食はお寿司と味噌汁です」と日本語で投稿し、「鹿児島産のブリと北海道産のホタテ」とハッシュタグを添えて、笑顔でホタテをはしでつまんでいる写真も掲載した。
台湾の国家安全会議秘書長も同日、「北海道のホタテは私の大好物、通風をものともせずに食べますよ」と商品の写真と合わせて投稿。「日本に行く準備をしている人も多いですね。羨ましい」と書き込み、魚介類の消費で日本を支援する姿勢を示している。
台湾政府高官が「痛風をものともせず」と表現したのは、ホタテなどの魚介類がプリン体を多く含むため痛風の原因になりやすいことを承知の上で、それでも日本支援を優先する強い意志を示したものと受け取られている。
科学的根拠重視の姿勢を堅持
鈴木農水相は今回の事態について、政治的な感情論に流されることなく科学的根拠に基づく対話を重視する姿勢を一貫して示している。処理水の海洋放出についても国際原子力機関(IAEA)の安全性評価を得ており、科学的には問題ないとの立場を維持している。
「これからも輸出拡大、訪日される人に国内で美味しいものを食べてもらうことが増えるよう努力したい」と強調し、一国に依存しない多角的な輸出戦略の重要性も示唆した。
実際、台湾などアジア諸国での日本産水産物の需要は高く、中国以外の市場開拓が進んでいる。台湾の支援は単なる政治的な身振りではなく、実際の経済効果も期待される実質的な連帯となっている。
農政エキスパートの冷静な判断
鈴木氏は開成高校、東京大学法学部を経て農林水産省に入省し、品目横断的経営安定対策などに携わった農政のプロフェッショナルだ。官僚時代の経験を活かし、政治的な圧力に動じることなく、長期的な視点で日本の農林水産業の発展を図る姿勢を示している。
中国の対抗措置については、過去の事例を踏まえて冷静に対応する構えだ。2021年には台湾パイナップルの輸入停止、その後の日本産水産物全面禁輸など、中国は政治的対立を経済制裁に結び付ける手法を繰り返している。
鈴木農水相の「粘り強くやっていく」という発言は、短期的な政治的対立に左右されることなく、科学的根拠と国際基準に基づいて着実に問題解決を図る決意を表明したものと評価されている。