新米期も価格下がらず 集荷競争激化でコメ5kg袋4328円

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新米期も価格下がらず 集荷競争激化でコメ5kg袋4328円

以上を整理すれば、在庫があるように見えても、流通・販売価格には「仕入れが高い」「先行きを見て価格を下げにくい」「制度的な価格抑制策が充分に機能していない」という三重の重みがかかっており、これが価格下落を阻んでいる。 このような構造下では、「いくら在庫を抱えていても下げられない」状態となっており、消費者の実感として価格がなかなか下がらない理由が浮き彫りになる。

新米期も下がらないコメ価格


10月27日~11月2日の1週間における5キログラム入り精米の平均小売価格は、前年同時期と比べて明確に上昇し、4328円となり、前週比で49円の高値をつけた。農林水産省が発表している全国約6,000店調査のデータによるもので、5週連続の値上がりとなっている。記事が指摘する「新米の季節にも価格が下がらない」状況は、この統計と整合する。

ところが、在庫は一部で“山積み”の状況にもかかわらず値下げが実現していない。多くの小売店では古い産年の米(いわゆる「古米」)をプライベートブランド等で値下げしているが、新米については仕入れが高値であったため販売価格を引き下げにくい構造がある。

なぜ価格が下がらないのか


まず、農林水産省の報告によれば、需給面では作柄や生産量に明らかな激減というわけではないものの、流通・在庫・取引構造に複数の歪みがあると分析されている。例えば、民間在庫の取り崩しが進んでおり、流通段階において卸売業者が“次期を見据えた調達価格”を上振れで提示せざるを得ない状況があった。

次に、記事が「集荷競争が激化」しているとする点にも根拠がある。取材では、産地で商系の集荷業者がJA(農協)提示価格を上回る価格を提示して農家から仕入れており、これが仕入れコストを押し上げているという。

さらに政府備蓄米(国の予備的な在庫米)を市場投入して価格を抑える方策にも支障があったことが指摘されており、放出時期の遅れが流通関係者の“価格低下への期待”を削いでしまったという分析がある。

以上を整理すれば、在庫があるように見えても、流通・販売価格には「仕入れが高い」「先行きを見て価格を下げにくい」「制度的な価格抑制策が充分に機能していない」という三重の重みがかかっており、これが価格下落を阻んでいる。

新米シーズンでも“割高”の背景


一般に「新米が出たら旧米(古米)は値下がる」「在庫が豊富なら価格も下がる」という単純な市場構造が想定されてきた。しかし、今回はそれが当てはまらない。記事でも指摘されているように、古米は値下げ対象となる一方で、新米は「在庫は余っているが値下げしない」という店舗が多い。これは、仕入れ時点で既に高値で契約・仕入れをしているため、利益を確保しながら値下げ余地が限られているからだ。

また、農協系の集荷が前年より減少し、商系が高値で集荷を担ってきた動きが、集荷価格の上昇を通じて最終価格に波及している。記事では「大手スーパーでも古米を値下げ販売しているが、新米の仕入れ値が高いため店頭価格を下げられない」と明記している。

このような構造下では、「いくら在庫を抱えていても下げられない」状態となっており、消費者の実感として価格がなかなか下がらない理由が浮き彫りになる。

消費者・家計への影響と政策対応


家計への影響が明確だ。記事によれば、ホームセンターでは備蓄米の販売が2,000円台だった時期もあったが、現在では3,000円超えが常態化しており、主食としての米が家計を直撃している。こうした価格高止まりと家計負担を背景に、消費者の不満もくすぶっている。

政策対応としては、政府が備蓄米放出や需給調整を進めるべきだという指摘が農林水産省報告に出ている。報告では「官民あわせた備蓄の活用」「流通構造の透明化」「需要・供給の予見可能性を高める」などが対応方針として示されている。

ただし、別の報道では、来年産については減産指示を出す可能性があるという情報もあり、供給量を抑えることで価格を維持しようという農政の構えが根底にあるとの批判もある。

この構えは、消費者の視点から見れば「価格を抑えるための増産措置が出てこない」という不満を招き得る。農業・農村をどう守るかという観点もあるものの、食料を日々購入する国民にとっては、主食の価格が下がらないことは許されない経済的負荷だ。

今後の焦点


価格が今後どこへ向かうかが注視される。ある報道では、「米価水準が“下がる”との見通しを判断した業者が急増している」とするデータも出ており、転換点が近づいている可能性もある。

ただし、その“下がる”見通しが必ずしも家計負担の軽減に直結するかどうかは別問題だ。仕入れ価格が高いまま流通し、販売価格がなかなか下げられない構造が残っている限り、消費者の実感は得られにくい。

したがって、政策的には「仕入れ・流通コストの低減」「備蓄米の迅速な市場投入」「販売価格の下げ余地をつくるための市場活性化」が鍵になる。また、記事の指摘通り、在庫があるのに値下げしない構造をどう変えるかが問われており、消費者・生産者・流通事業者それぞれの役割と負担配分を明確にする必要がある。

筆者の見解


今回のコメ価格高止まりは、単純に「需給がタイトだから」という説明では到底済まされない。むしろ流通・集荷・在庫・政策という構造的な複雑性が作用しており、消費者が払う価格にはそうした重みが乗せられている。政府・農政が言う「価格にコミットしない」という姿勢(つまり市場で決まってほしいという立場)では、主食を日々買う消費者の立場からは納得しがたい。

この点からすれば、私見としては 「減税・価格下げを優先すべき」である。物価高の時代にあって、主食である米が値下がりせず、家計を圧迫し続けることは許されない。農政が農家支援と消費者支援のバランスを欠いているとすれば、これは構造的な問題であり、いち早く是正すべきだ。

また、流通における“仕入れ値の上振れ競争”を抑え、集荷・卸売・小売が過剰な価格競争に走る構造を政府が把握し、調整介入することも不可欠だろう。農業支援も重要だが、それと同時に「国民のための価格政策」が見える形で示されなければ、物価高の負担が家計に過剰な形で残り続けることになる。

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2025-11-12 09:13:57(植村)

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