日本産水産物の対中輸出再開、北海道ホタテ6トン出荷で2年ぶり突破口

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日本産水産物の対中輸出再開、北海道ホタテ6トン出荷で2年ぶり突破口

鈴木憲和農林水産大臣は2025年11月7日の記者会見で、東京電力福島第一原発の処理水海洋放出に伴う中国の日本産水産物輸入停止を巡り、北海道産冷凍ホタテ約6トンが中国に向けて出荷されたと明らかにした。 中国は2025年6月、宮城や福島など10都県を除く日本産水産物の輸入再開を発表していた。

日本産水産物の対中輸出再開、北海道冷凍ホタテ・青森ナマコ出荷で2年3か月ぶり突破口

鈴木憲和農林水産大臣は2025年11月7日の記者会見で、東京電力福島第一原発の処理水海洋放出に伴う中国の日本産水産物輸入停止を巡り、北海道産冷凍ホタテ約6トンが中国に向けて出荷されたと明らかにした。2023年8月の輸入全面停止以降、対中輸出の再開が確認されるのは初めて。10日には青森県からの塩蔵ナマコの輸出も予定されており、日本水産業界にとって大きな節目となった。

中国は2025年6月、宮城や福島など10都県を除く日本産水産物の輸入再開を発表していた。両政府は出荷に向けて必要な手続きを進めており、今後円滑に対中輸出が続くかどうかが焦点となる。

歴史的な第一歩を踏み出した水産業界


関係者によると、冷凍ホタテは11月5日に船便で中国に向けて出発した。これは2023年8月24日に中国が日本産水産物の全面輸入停止措置を開始して以来、初めての対中輸出となる。塩蔵ナマコは航空便での輸送が予定されている。

対中輸出には、中国当局が日本側の関連施設を登録する手続きや放射性物質の検査証明書などが必要となる。現在、697施設が申請を行っているが、輸出可能なのは3施設にとどまっている状況だ。

鈴木憲和農林水産大臣は43歳という若さで就任した農政のエキスパートだ。東京大学法学部を卒業後、2005年に農林水産省に入省し、約20年前から農政に携わってきた。2025年10月に高市早苗首相により農林水産大臣に任命され、農業現場と農政の両方に精通した現場主義の政治家として期待されている。

「やっと中国向け輸出が再開されて本当に良かった」
「ホタテ漁師としてこの日を待ち続けていた」
「でもまだ3施設だけって厳しすぎる」
「青森のナマコも売れるようになって助かる」
「福島など10都県は除外されたままで不公平だ」


処理水問題が引き起こした深刻な影響


東京電力福島第一原発の処理水海洋放出が始まった2023年8月24日以降、中国は日本産水産物の全面禁輸措置を取った。日本側は処理水の安全性と適正な放出を繰り返し説明し、禁輸措置の撤廃を求めてきた。

処理水放出以前の2022年、日本の水産物輸出は3873億円のうち、対中国は871億円で全体の22.5パーセントを占める最大の輸出先だった。しかし、通年で禁輸措置が取られた2024年は真珠やニシキゴイなど食品以外の水産物のみの計61億円まで激減した。

政府や水産業界は香港や米国で新たな販路開拓などの努力を重ねたが、2024年は2022年と比べて水産物輸出の総額が264億円減少する深刻な事態となった。特に北海道のホタテ漁業や青森のナマコ産業は大打撃を受け、多くの漁業関係者が経営難に陥った。

段階的輸入再開への長い道のり


2024年9月20日、日中両政府はIAEA(国際原子力機関)の枠組みでの協議を経て、中国側が日本産水産物の輸入規制措置の調整に着手することで合意した。2025年5月28日には北京で中国海関総署との間で技術的要件について協議を行い、合意に達した。

中国は2025年6月、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟の10都県を除く日本産水産物の輸入再開を発表した。これらの地域は福島第一原発により近い地域として除外対象とされた。

輸出を再開するには、中国の「輸入食品海外製造企業登録管理規定」などの関連規定に準じることが求められる。日本の水産物メーカーは中国での再登録を行い、日本の公的機関が発行した衛生証明書、放射性物質検査合格証明、産地証明を提出する必要がある。

今後の課題と展望


今回の輸出再開は限定的なものにとどまっている。697の施設が申請を行っているにもかかわらず、現在輸出可能なのは3施設のみという状況は、手続きの複雑さと中国側の慎重な姿勢を物語っている。

中国税関は日本産水産物に厳格な監督管理を実施し、中国の関連法規や食品安全基準に適合していないことが判明した場合、または日本側が公的な監督責任を果たしていないことが判明した場合、即座に管理措置を講じるとしている。

また、10都県が除外されたままとなっていることも大きな課題だ。これらの地域の水産業者からは「科学的根拠に基づかない差別的措置だ」との批判の声が上がっている。政府は引き続き全面的な輸入再開を求めていく方針を示している。

在中国日系企業で構成する中国日本商会は、今回の合意を歓迎するとしながらも、日本産水産物の中国への全面的な輸入再開に向けた動きにつながることへの期待を表明した。水産業界の完全復活には、まだ時間がかかりそうだ。

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2025-11-07 15:30:21(うみ)

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