2025-10-26 コメント投稿する ▼
鈴木憲和農水相、米政策を市場重視に転換「おこめ券」推しで消費者支援
2025年10月21日に発足した高市早苗政権の農林水産大臣に就任した鈴木憲和衆議院議員(自由民主党、山形2区選出)が、26日に地元入りし、米をはじめとした農政課題への取り組み方針を示しました。 平均価格が一時、5キロ当たり4,000円を超える水準まで上昇し、家計負担が大幅に増加するなか、「まずは需要の見通しをしっかり示すことが不可欠」と鈴木氏は述べています。
初入閣の鈴木農水相、「納得感ある米農政」への決意
2025年10月21日に発足した高市早苗政権の農林水産大臣に就任した鈴木憲和衆議院議員(自由民主党、山形2区選出)が、26日に地元入りし、米をはじめとした農政課題への取り組み方針を示しました。農林水産省出身で、農業の現場に精通する43歳の新大臣は、生産者と消費者の双方の立場を考慮した「需要に応じた生産が見通せる米農政」の実現を重視する姿勢を強調しています。
「令和の米騒動」収束に向けた需給バランスの重要性
鈴木氏は後援会関係者へのあいさつ回りを終えた後、山形県南陽市で記者団の質問に応じ、米の需給混乱の沈静化に向けた方針を述べました。昨年夏から続く「令和の米騒動」と呼ばれる米不足・価格高騰は、猛暑による品質低下やインバウンド需要の増加、投機的な動きなど複合的な要因が重なった結果です。平均価格が一時、5キロ当たり4,000円を超える水準まで上昇し、家計負担が大幅に増加するなか、「まずは需要の見通しをしっかり示すことが不可欠」と鈴木氏は述べています。
「需給バランスが大事なんです」
「農家さんにとって、先が見えない農政は困難です」
「消費者と生産者の信頼を築きたい」
「山形のお米は日本の誇りだと思っています」
「長期的視点で農業経営の安定を目指したい」
需給の均衡を基本に、その上で海外への輸出拡大や米粉の市場開拓といった中長期的な需要創出を視野に入れた農政を推進する方針を示しています。石破茂前首相が掲げた米5キロ当たり「3,000円台」という価格目標にはこだわらず、「価格はマーケットの中で決まるべきもの」と述べ、市場メカニズムへの信頼を表現しています。
「おこめ券」配布で消費者負担を軽減
米価高騰への対応として、鈴木氏が前任の小泉進次郎農水大臣と大きく異なる政策を打ち出しているのが「おこめ券」の活用です。小泉前大臣は政府備蓄米の大量放出を推し進めましたが、鈴木氏はこの手法に疑問を示し、むしろ消費者直接支援の方が「スピーディーで確実」だと主張してきました。26日の地元入りでは、「なるべく早くやりたいが、すべての消費者に関わることであり、納得感のある形で進めていきたい」とさらに慎重な検討の必要性に言及しています。
すでに東京・台東区など一部の自治体が独自に「おこめ券」を配布する取り組みを進めており、鈴木氏はこうした先行事例を参考にしながら、国レベルでの制度設計を進める考えです。子育て世帯や高齢者など生活が困窮する層に対して、クーポン方式や現物給付を含めた支援の形を整備することで、米が高いために必要な量を購入できない家庭の食卓を守る狙いがあります。
果樹振興で「10年、20年先」を見据える
山形県を代表する農産物であるサクランボをはじめとした果樹の振興にも、鈴木氏は強い関心を示しています。気候変動の影響で異常気象が頻発するなか、新たな栽培技術の開発や農機具の更新費用への補助といった支援体制の強化を明言しています。「10年、20年先のあるべき果樹栽培の方向性を生産者や自治体と議論し、前に進めたい」との発言から、単なる場当たり的対応ではなく、中長期的な産業基盤の構築を目指す姿勢がうかがえます。
2025年産の山形県産サクランボは、春先の気象変動の影響を受けて前年比で20%を超える減収が見込まれています。農家の経営継続を支援するためには、単年度の助成だけでは不十分であり、災害に強い新品種の開発や栽培施設の高度化、労働力確保といった包括的な対策が求められています。
鈴木氏は2005年に東京大学法学部を卒業後、農林水産省に入省し、消費・安全局など複数の部署で農政の中枢に関わってきました。2012年の衆議院選挙で山形2区から初当選し、現在5期目を迎える現職議員です。今年8月から自民党山形県連の会長を務めるなど、地域との結びつきも強く、就任前から関係者から高い期待が寄せられていました。高市内閣で初入閣となった今回の就任は、複雑化する農業課題の解決に、農政の専門知識と現場感覚を兼ね備えた人物の登用と受け止められています。
 
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
                     
                     
                    