2025-10-08 コメント投稿する ▼
瑞慶覧長風氏「県民の権利」発言に疑問 自衛隊排除は誰のための沖縄か
決議は、防衛政策への批判や抗議は「表現の自由」として尊重すべきとしながらも、自衛隊員であるという理由だけで社会参加を拒むことはあってはならないとしています。 那覇市の陸上自衛隊第15旅団のエイサー隊が出演を予定していましたが、一部の市民団体が「市民感情からして許されない」と反発しました。 エイサーに政治を持ち込むことは断じて許されない」と主張しました。
沖縄県議会、自衛隊への差別的風潮を改める決議を可決
沖縄県議会は2025年10月8日の本会議で、自衛隊と隊員、そして家族に対する差別的な風潮を改めるよう県民に呼びかける決議を賛成多数で可決しました。賛成25票、反対19票、退席2票という結果でした。
決議は、防衛政策への批判や抗議は「表現の自由」として尊重すべきとしながらも、自衛隊員であるという理由だけで社会参加を拒むことはあってはならないとしています。県民全体に理解と協力を求める内容です。
エイサーまつり出演を巡る論争
決議の背景には、沖縄全島エイサーまつりで起きた議論があります。那覇市の陸上自衛隊第15旅団のエイサー隊が出演を予定していましたが、一部の市民団体が「市民感情からして許されない」と反発しました。主催者側は「政治を持ち込む場ではない」として出演を認めました。
これに対し、自民党県議の新里治利氏は「自衛官だからと排除しようとするのはおかしい。エイサーに政治を持ち込むことは断じて許されない」と主張しました。県政野党である自民党は、当初「職業差別を許さない決議」を提案していましたが、公明党との調整で「差別的な風潮を改める」に修正されました。
反対に「オール沖縄」系の瑞慶覧長風県議(沖縄社会大衆党)は「県民が自衛隊に恐怖や違和感を感じるのは当然の権利だ。決議は言論封殺ととられかねない」と批判しました。
自衛隊員や家族も沖縄県民である
自衛隊員やその家族も沖縄で暮らす県民です。彼らは災害時の救助活動や不発弾処理、台風時の避難支援などを通じて、日々の県民生活を支えています。そうした努力にもかかわらず、一部の活動家が「自衛隊=悪」と決めつけるような言葉を広めています。
「平和」という言葉を使いながら、自衛隊を悪者扱いする動きは、事実を無視した偏見であり、県民の中に分断を生むものです。自衛隊は沖縄の一員として、地域と共に歩んでいます。彼らを排除する動きは、まさに差別であり、社会の成熟を妨げる行為です。
「県民」という言葉の意味を問う
瑞慶覧長風氏が使った「県民」という言葉には疑問が残ります。自衛隊員やその家族を含めずに「県民」を語るのは、誰のための政治なのかという問題です。沖縄で暮らし、働き、地域を支えるすべての人が県民です。立場の違いを理由に排除するような考えは、地域社会の一体感を壊してしまいます。
「職業差別だ。自衛隊も県民だ」
「自衛隊だからというのはもはやヘイト」
「戦争体験を忘れず平和を守りたい」
「自衛隊の演舞を観て勇気をもらった」
「平和のためと言えば差別が許されるわけではない」
SNS上では賛否両論が広がりました。自衛隊の活動を支持する声もあれば、戦争の記憶を理由に不安を示す意見もあります。こうした意見の違いをどう受け止め、話し合うかが今後の課題です。
表現の自由と地域の調和
決議では「表現の自由」を尊重する立場が明記されています。ただ、「差別的風潮」という言葉の解釈は幅が広く、誤解を生む恐れもあります。自由な議論と、相手を尊重する態度の両立が求められます。
自衛隊員や家族に対する偏見や排除は、県民社会の成熟を損ないます。批判や意見を言う自由は守られるべきですが、個人の尊厳を傷つける行為は決して許されません。今回の決議は、その線引きを県全体で考えるきっかけになったといえます。
今後は、県民の間で対話を重ね、誤解を減らし、共に生きる姿勢を広げていくことが重要です。自衛隊を含むすべての人々が地域の一員として尊重される社会を築くことが、真の「平和」につながるはずです。